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2014年1月14日 (火)

もっと生きたい。

今回は社交不安障害には直接的な関係はありませんが、15年以上前に

土曜日の夜に放送されていたドリアン助川の正義のラジオジャンベルジャン

という若年層向けのラジオ人生相談番組のことを書きたいと思います。

ある時、そのラジオ番組で18歳の「かよ(以下かよちゃん)」という女の子

が電話をかけてきました。内容は体の調子が悪いということから病院で

検査をしたとのことです。そして看護師である「かよちゃん」のお姉さんの

日記から自分が白血病だということを知ってしまったことをドリアン助川さ

んに話していました。

その後、何度もかよちゃんはラジオに電話をし、次第にリスナーからの励

ましの手紙が届くようにもなり、番組をあげてかよちゃんを応援するように

なりました。そんなラジオ番組に贈ったかよちゃんの言葉を紹介させて

ください。

≪かよちゃんが本音をテープに録音≫

・・・こんにちは、かよです。えーと、今日は平成8年の6月22日

私は19才の誕生日を迎えました。えーと、ラジオを聞いてい

る皆さんにはたっくさんのお手紙をいただいて本当にありが

とうございました。おかげさまで、今、元気に学校にも通って

いるような感じです。本当にありがとうございました。

うーんと今日は何をお話しようかなあって考えたんですけど、

私の本音を話そうと思っています。いつもジャンベルジャンに

出る時はすごく私元気だと思います。今日も元気なんですけど

あれはほんとの自分じゃないと思うんです。

白血病にかかって、入退院繰り返して、何にも楽しいことなん

てなくて、天国から地獄へおっこっちゃったような感じでした。

なんで私が白血病にかからなきゃいけないんだろう。なんで

私がこんなに入院しなくちゃいけないのって、何度も何度も

考えました。

今だってなんで私が白血病と闘わなきゃいけないんだって、

文句言う相手はいないんですけど、言いたくなる気持ちでい

っぱいです。そりゃがまんできたってこともあります。元気に

努めてきたこともあります。でもやっぱり強くなんてありません。

めちゃめちゃ弱いです。

死の扉が目の前までやってきて、開けて・・・じゃないかって毎

日寝るときそう思います。ときどきがまんしすぎて、爆発しそう

になります。どうしても生きていたい。今死ぬわけにはいかな

いんです。

自分のやりたいこともいっぱいあるし、今なんて死ねません。

だけど、自分の中で、もう一人の自分がいて、元気にがんばれ

しっかりしろって、かよらしく元気でいなさいって、言い聞かせる

自分がいるんです。だから今の私があるのかもしれません。

でも、これから先、何日、そして何年、自分の命が続くかわかり

ません。その状況の中で、それでもなるべく元気に生きていた

いと思います。

最近、同い年ぐらいの子たちがいろんな悩みを持って自ら命を

絶つ人がいます。自分で命を絶つくらいなら私に命を分けてく

ださい。そうやって叫びたくなるくらいな気持ちです。

いつも強がって生きていくのはちょっとしんどいです。

でも私にはリスナーのみなさんやドリアンさん、スタッフの皆さ

ん・・ついていてくれます。それが何よりの支えです。

≪かよちゃんの机の引き出しに入っていた手紙≫

ラジオのみなさまへ。

これは私が亡くなった時に読んで欲しい手紙です。

私は白血病というものと闘うことによって善い人間に少しだけ

なれたような気がします。

命の大切さや人を思いやる心、人との触れ合いの大切さなど

たくさんのことを学びました。

リスナーのみなさんに励まして応援していただき、みんなのパワー

で受験も乗り切り今こうやって白血病と闘っている私がいます。

みんなのエールがどれだけ私のエールになったことかははかり

しれないものです。

ラジオを聴いているみんなも色々と悩みがあると思います。

でも、それを乗り越えて生きてください。産まれたことに感謝して

生きていることに感謝して精一杯生きてください。

そして何よりも自分の命を、そして自分を取り囲んでいるたくさん

の人の命を守ってあげてください。

たくさんのリスナーのみんなに支えられているかよは本当に幸せ

です。かよのことを応援してくれて支えてくれてどうもありがとう。

■この手紙を最後に、かよちゃんは19年という短い生涯に終わりを告げ

ました。最後、意識が戻り家族に何度も「ありがとう、ありがとう」といって

感謝の言葉を口にしていたそうです。

かよちゃんはリスナーへのお礼の手紙に将来の夢は「教師になること」と

書いていたそうです。しかし、ドリアン助川さんが病床で聞いたかよちゃん

の夢は違っていました。かよちゃんの本当の夢・・・それは老いることでした。

かよちゃんの死を知ったドリアン助川さんは最後にこう言いました。

「死を目の前にしてあんなに強くいられることが信じられなかった。

人間はこんなにも素晴らしくいられることを僕は教わりました」

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