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2014年9月12日 (金)

コンプレックスを贅沢なもの??


「自分のコンプレックスを贅沢なこと」
と言われた話を紹介します。


社交不安障害で悩んでいることを「贅沢なことだね」と言われたら、みなさん

はどう思いますか? 「ムッ」とし怒ってしまいますか?それともその言葉か

ら新しい発見をしますか?

今回は、後者の新しい発見をした人の話です。その人とは、代々木ゼミナ

ールの西谷昇二先生です。そのときのことを、西谷先生は本の中でこう書

いています


「コンプレックス、弱点は、見方によっては強みになるのだ。

それを教えてくれたのは、あるジャズ喫茶のマスターだった。



大学に入った翌年の初夏に、私は原チャリで北海道に向か

った。函館の地で、私は昼間は「BOP(バップ)」というジャズ

喫茶に入り浸っていた。



ある雨の日、私が近くの公園で野宿していると知ると、店の

マスターは「雨の日に野宿は辛いだろうから、夜はここで寝

てもいいよ」と見ず知らずの私に、なんと寝る場所を提供し

てくれたのだ。



お互い人見知りする性格とあって、それまでは口をきくこと

もあまりなかった二人が、その日を境にぽつんぽつんと会話

を交わすようになった。



大学に行くのが嫌で、ここまで逃げてきたこと。そんな話を

黙って聞いてくれたマスターは私に言った。

「君は今、とても贅沢なことをしているんだね。贅沢な時間

を過ごしているんだね」

「えっ、贅沢ですか。お金はぜんぜんないんですが・・・」



それまでの私は、自分が北海道まで来たことにある後ろ

めたさを感じていた。

「せっかく高い授業料払ってまで入ったのに」

「勉強をしないでふらふらして」

この性格を直さなきゃ、社会に順応できないと思っていた。



ところが自分が直さなきゃと思っていることを、マスターは

「贅沢なこと」と肯定的にとらえてくれたのだ。

その瞬間、私はすごく楽になった。



重い荷物を抱えていたと思ったのに、その荷物が実はす

ばらしいものだと知らされたような気分になった」



■『壁を越える技術』 西谷昇二■



社交不安障害の人で対人関係が苦手な人は多いです。

まったく友人がいないというのなら話は別ですが、友人がいながらその

友人との関わりが辛いという場合が多々あります


人によって考え方は異なると思いますが、そういった悩みは「友達がい

る」ということが前提となっています。友達がいるがゆえの贅沢な悩み

とジャズ喫茶のマスターに思われてもおかしくありません。


私の小中学校時代の給食が食べづらかったという悩みも「食べるもの

がある」ということが前提となっています。食べるものがあるということ

自体が贅沢な話なのに、そのことには一切目を向けていなかった自分

に今になってようやく気付けています


しかし、今、社交不安障害で本当に苦しい時期の方からはおしかりを

受けるかもしれません。今すぐには無理でも、少し自身の社交不安障

害から距離を置いて考えられるようになったら、上記の西谷先生の話

を思い出していただけたらなと思います。

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